ドライビング入力
トレイルブレーキング
ターンイン後もブレーキ圧を残し、ステアを足しながら徐々に抜いていく操作。フロントに荷重を乗せたままクルマを回頭させる。抜くのが早すぎるとフロントが浮いて逃げる(アンダーステア)、強すぎるとリアが軽くなる。
スレッショルドブレーキング
グリップ限界ギリギリでのブレーキ — 最初に強く踏み、ロックアップ直前で微調整して最大減速を得る。ABS車では、ABSがかろうじて介入し始める点。
リリースレート
ブレーキを抜く速さ。きれいなディグレッシブ(漸減)リリースはクリッピングまでフロントを接地させ続ける。急に抜くと荷重が抜けてクルマの回頭が止まる。
コースト
ブレーキもスロットルも踏んでいない時間 — クリッピングでのデッドタイム。少しは正常だが、多い=ブレーキが早すぎる、またはアクセルに戻すのをためらっている。
スリップアングル
タイヤが向いている方向と実際に進む方向の角度差。数度ならグリップを生むが、大きすぎるとタイヤを削って速度を失う。
コンシステンシー(再現性)
ラップやコーナーでの入力をどれだけ再現できるか。ペースを分ける最大の要因 — 再現できないクルマはセッティングできない。
クリッピング最小/最大速度
コーナーでの最低(クリッピング)速度を複数ラップで追跡。同じコーナーで最低速度のばらつきが大きい=クルマではなく走り方に隠れたロスタイム。
タイヤ&グリップ
グリップ使用率(グリップ利用度)
タイヤのグリップをどれだけ使っているか(0〜1)。摩擦円から算出:√(lateral² + longitudinal²) ÷ (µ × vertical load)。フロント対リアはアンダー/オーバーステアのタイヤレベルでの読み。縦方向も含めることで脱出時のホイールスピンも捉える。
温度ウィンドウ
コンパウンドがグリップするカーカス温度帯。冷えている=グリップせず滑る、過熱=表面が溶けて滑る。内側/中央/外側のばらつきをキャンバーと内圧の指標として読む。
内圧上昇(冷間 → 温間)
冷間セット値から走行状態までの内圧上昇量。上昇が少なすぎる=冷間内圧が高すぎる(タイヤを使い切れず中央が膨らむ)、多すぎる=冷間が低すぎる(タイヤを酷使)。
ラップあたり摩耗 ・ クリフ ・ タイヤ寿命
各タイヤの摩耗速度(%/ラップ)、グリップが崖(クリフ)のように落ちる予測ラップ、残り寿命の推定ラップ数。最も厳しいコーナーが限界タイヤを示すことが多い。
3ゾーン温度(I / M / O)
トレッドの内側・中央・外側温度。内側が高い=ネガティブキャンバー過多、外側が高い=不足、中央が高い=内圧過多、両端が高い=内圧不足。
空力&荷重
圧力中心(CoP)&移動
空力ダウンフォースの前後配分(%)— 例:CoP フロント37%は空力荷重の37%がフロント軸にかかっていることを意味する。移動(マイグレーション)は速度に応じてどう変化するか:+ =速度域でフロント荷重が増える(高速コーナーでフロントが食う)、− =リアに荷重が乗る。LMUではダウンフォースが公開されないため、速度に対する車高変化とバネレートから推定する。
重心(CoG)/ 荷重移動
質量が実質的にどこにあるか。各タイヤの垂直荷重から読む。前後(例:速度域でフロント46%)と左右で、どのコーナーに最も荷重がかかるかが分かる。曲がる方向が偏ったコースでは荷重側が30%以上多く負担することもある — 偏摩耗と発熱の元凶であり、左右非対称セットアップの根拠。
最大横G
クルマが実際に発生させるコーナリンググリップのピーク。プラットフォームとタイヤがコーナーでどれだけ仕事をしているかの指標。
ブレーキ
ブレーキ熱ウィンドウ(立ち上がり / ピーク / 中央値)
ブレーキ材が機能する温度帯。下回るとディスクがグレーズしてブレーキが鈍い、上回るとフェードする。減速度、およびダクト設定によるタイヤ昇温と連動する。
ブレーキバイアス
ブレーキ力の前後配分 — 最初の数字がフロント(54.5 = フロント54.5%)。前寄りすぎるとトレイルブレーキング時にフロントが逃げる、後ろ寄りすぎると進入でリアが不安定になる。
ブレーキマイグレーション
ペダルを抜くにつれてブレーキバイアスを自動的にリア寄りへ移動させる機能。初期制動を不安定にせずにコーナー進入での回頭を助ける。
ABSフレーム数/ラップ
ラップあたりABSが介入しているテレメトリーフレーム数 — 個別の作動回数ではなく介入の量。値が高い(かつブレーキフレームに占めるABS%が高い)=スレッショルドで踏まずにABS頼みになっている。
サスペンション
ショック速度ピーク(F/R、バンプ/リバウンド)
ダンパーシャフトの動く速さ。低速シャフト速度=ボディコントロール(ロール、ダイブ、スクワット)→ ロースピードバンプ/リバウンドで調整。高速シャフト速度=縁石や路面の凹凸 → ハイスピードバンプ/リバウンドで調整。
ロール&ピッチ速度
コーナーでボディがロールする速さ、ブレーキ/加速でピッチする速さ。ロールが大きい=ARB/バネ、ブレーキ時のピッチが大きい=フロントのロースピードバンプを示す。
ボトミング(底突き)
サスペンションのストロークが尽きてフロアが路面に当たる現象 — 突然のダウンフォース喪失と、軽く曖昧なステアフィール。ブレーキ時はノーズが速く沈みすぎる状態で、これは単なるバネ/車高ではなくダンパーの問題(ロースピードバンプ)。
エンジン&冷却
ラジエーターブランキング(グリル)
ラジエーターへの空気の流れを一部塞ぐテープやパネル。グリルを閉じるとドラッグが減りダウンフォースが増えるが、エンジンは高温になる。開けると空力を犠牲にしてエンジンを冷やす。パワーユニットの空力対冷却のレバー。
油温
エンジンオイルの温度。低すぎるとオイルが硬くパワーが出ない、高すぎると油膜が薄くなりエンジンにリスク。グリル設定と照らし合わせて読む。
水温/クーラント温度
エンジンクーラントの温度 — 冷却の主要な指標。高い値が続く=冷却不足。一部のシム(iRacing、Automobilista 2、Assetto Corsa)では停止中にエンジンをかけ続けると空気の流れがなくなり、温度が急上昇してエンジンを破損させるほどになる。
エンジンマップ
パワーを燃料/エネルギー消費、レスポンス、発熱と引き換えにする選択可能なモード。リーンなマップは燃料を節約し低温で走る、アグレッシブなマップはパワーが出るが消費も発熱も増える。
戦略
燃料/ラップ ・ 残りラップ ・ 制限要因
ラップあたりの実燃料消費(開始マイナス終了)、残りの航続ラップ数、そして燃料・エネルギー・タイヤのうちどれが先に尽きるか — スティント長を決める制限要因。
バーチャルエナジー(VE)
エネルギー連動車では、燃料と並行して減っていきスティントの実質的な制限になり得るバジェット。%とラップあたり消費量で表示。
リフト&コースト
ブレーキングポイント手前でアクセルを抜いて燃料/エネルギーを節約し、ラップタイムと航続を引き換えにする操作。各レベル(L1〜L3)に節約量とタイムコストがある。
レースフォーマット別シナリオ
あるクルマについて、計測したペース・消費・タイヤ寿命から、各レース長(20分 → 24時間)でのピット回数とスティント長を予測 — 走る前にフォーマットを計画できる。
マイクロセクター / 理想ラップ
コースを約24のミニセクターに分割し、各最速を合計したものが真の理想ラップ — 従来の3セクター理論ベストより鋭い。